業務用として使える品質でありながら、安価な価格帯で家庭用としてもよく導入されているのがFLASHFORGE社のGuider2です。17万円前後とそこそこ値は張りますが、DIY用途で導入するもよし、副業のために導入するもよしということで、Amazonでもポチッと購入することができます。この記事では、Guider2の魅力を徹底解説します。
Guider2の特徴
Guider2の特徴を一言で言うと、大きくて強度の高いものを安定して造形できる、ということです。家庭用の安価な3Dプリンターでは、造形サイズが小さい、使える材料が限られていて強度が弱い、造形不良が起きやすい、ということがよくありますが、Guider2はこれらをクリアした機種と言えます。
大型の造形ができる
Guider2の造形サイズは、280×250×300mm(幅×奥行き×高さ)です。サッカーボールより一回り大きいものを一度に造形することが可能ということです。DIY用途で使うには、ある程度大きさがほしいケースがあると思いますが、安い3Dプリンターは15cm角前後の造形サイズである製品がほとんどです。大は小を兼ねると言います。今後の汎用性を考えると、できるだけ大きな造形ができる機種を選択するのが良いのではないでしょうか。
安定した造形ができる
家庭用と業務用の3Dプリンターを比べた時に、一番差が出るのが安定した造形ができるかどうかというところです。10万円以下の機種だと、設定や環境の工夫をしなければ、3Dデータの形状をうまく再現できなかったりします。Guider2では加熱式プラットフォームによる温度管理などでABS等難易度が高い材料でもそれなりに安定した造形ができます。
様々な材料が使える
Guider2では様々な材料が使用できます。各材料についてはこのページの下部にて解説します。やはりPLAを使われるケースが多いようです。熱収縮性が小さいため、安定した造形ができます。定番のABSも使えます。
設定が簡単
完成品が届くため、最初の組み立てが不要です。また、3Dプリンターにおいて重要な設定である水平出しも、タッチパネルの指示に従って本体のネジを締めるだけで簡単かつ正確に行うことができます。なお、水平出しとは、プラットフォームを水平にすることで、これがうまくいかないと造形不良の原因となります。
Guider2の注意点
Guider2の大型の造形ができることが特徴ですが、やはり大きくなればなるほど難易度は上がります。スライスソフトのFlashPrintではエキスパートモードで詳細な設定ができるため、ノズルやプラットフォームの温度、ヘッドが動くスピードなどを調整することで、難易度が高い造形にも対応しています。
Guider2で使える主な材料
ABS
プラスチック製品によく使われている材料で、FDM方式の3Dプリンターでも最も汎用的な材料です。高い強度があり、靭性（弾力性）もあるので割れにくいという特徴があります。しかし融点が高いためノズルを高温にする必要があり、また吐出後に急激な温度変化があると反ってしまうので、造形の難易度が高い材料とも言えます。Guider2では加熱式プラットフォームで庫内の温度変化を緩やかにしているため、変形を抑えています。
PLA
3Dプリンターでは汎用的な材料です。ABSと比べると熱収縮性がそこまで高くないので、安定した造形がしやすいという特徴があります。造形物はとても硬いものになります。強度はありますが、靭性が低いため割れやすい（折れやすい）といった特徴もございます。なお、色の種類が豊富というのも特徴です。
PETG
PETを改良したもので、耐衝撃性に優れています。ABSとPLAのいいとこ取りをした材料とも言われており、耐衝撃性がありつつ、安定した造形もできることが特徴です。ただし、表面がUV光によって弱くなるなどのデメリットもあります。
TPU
熱可塑性（ねつかそせい）ポリウレタンです。ポリカーボネートよりも柔らかく、シリコンよりも硬いという特徴があり、ゴムライクとも表現されることがありますが、非常にやわらかい素材で、スマホケースでよく使われている材料というとわかりやすいと思います。耐衝撃性があります。
PP（ポリプロピレン）
柔軟でかつ強度も高い汎用的な樹脂素材です。曲げに対する耐性が強く、また酸・アルカリ・油などの薬品に対しても耐性があります。
まとめ
3Dプリンターは造形方式や使える材料の種類が様々であり、価格帯も幅があって選ぶのが難しいものだと思います。Guider2は個人で購入するにはそれなりの価格ではありますが、大型で安定した造形ができるため、しっかりした製品を購入したい人には向いている機種です。ぜひ検討してみてください。