3Dプリンターには造形方式ごとに様々な材料があります。機種ごとの特徴もありますが、実は材料によって、強度や精度に大きな差が出てきます。この記事では、家庭用3Dプリンターで主流となっているFDM方式と光造形方式で使える材料について解説していきます。なお、同じ名前の材料でも各メーカーが開発を重ねて、機種ごとに検証しており、物性が異なりますのでご注意ください。また、色も複数種類あることが多いです。
FDM方式で使える材料
FDM方式は、フィラメント状(釣り竿のリールのようにグルグル巻きになったもの)になった樹脂材料をノズルの先端まで通して、高温で溶かしたもので一つの層を造形し、それを重ねていくことで造形していく方式となります。材料はフィラメント状にできる樹脂、ということになります。企業向けの高額な3Dプリンターでは、170度以上の高温でとけるエンジニアリングプラスチックも使うことができますが、家庭用の3Dプリンターではそこまでの高温が実現できないことが多いため、使える材料が限られてきます。代表的なものをいくつかご紹介します。
PLA
FDM方式の3Dプリンターで使われる代表的な材料がPLAです。ABSと比べると熱収縮性が高くないので、ノズルから吐出された後の反りが大きくなく、安定した造形ができるのが特徴です。また価格が安いという点も、よく使われる理由です。弱みとしては、弾力性がなく硬いので、曲げや引っ張りに対する強度が弱く、割れたり折れたりしやすいという点です。また熱にも強くありません。
ABS
製造業でよく製品の外装などで使われる材料です。プラスチックである程度の強度がある代表的な材料といえばこれ、というようなもので、家電量販店や100円均一で買えるもののパッケージなどを見てみると、ABSと書かれていることがよくあります。PLAに比べると弾力性があり、負荷をかけても割れにくいのが特徴です。
TPU
いわゆるゴムライクな材料です。非常に柔らかいのが特徴で、スマホケースでよく使われている材料となります。対応している機種はある程度限られますが、基本的に樹脂(プラスチック)は硬いという特徴がある中で、柔らかいものを造形できるということが特徴です。
光造形方式で使える材料
光造形造形方式とは、バット(トレーみたいなもの)に満たした液状の光硬化性樹脂に紫外線を照射することにより一つの層を作り、それを重ねていくことで造形していく方式です。エポキシ系樹脂とアクリル系樹脂 の大きく2つに分けられます。
UVレジン
その名の通り、UV(紫外線)をあてることで硬化するレジン(樹脂)です。
面白い材料が使える家庭用3Dプリンター
FLASHFORGE Guider2
Guider2で使える材料
- ABS
- PLA
- HIPS
- PVA
- PP
- PET
- TPU
- 高耐熱性PLA
Guider2はABSで安定した造形ができることがポイント!
家庭用の3Dプリンターでは、温度管理の観点からABSで安定した造形ができる機種は少ないです。PLAと比べて靭性があり、すぐに割れないので、DIY用途でも使いやすいと思います。
XYZプリンティング ダヴィンチ Jr. Pro X+
XYZプリンティング ダヴィンチ Jr. Pro X+ で使える材料
- ABS
- タフPLA
- PLA
- PETG
- 抗菌PLA
- メタリックPLA(高硬度エクストルーダー使用時のみ)
- カーボンPLA(高硬度エクストルーダー使用時のみ)
XYZプリンティング ダヴィンチ Jr. Pro X+ は様々なPLAが使用可能!
通常のPLAに加えて、タフPLAや抗菌PLAといった、機能強化された材料が使えます。またオプションは必要となりますが、メタリックPLAやカーボンPLAといった材料も使うことができます。メタリックPLAは、PLAに赤銅の粉末を含有させた材料です。赤土のような特別な風合いの造形ができ、造形物を磨くことで銅像のような光沢が出て高級感のある造形物が作れます。カーボンPLAは、カーボン(炭素繊維)とPLAの混合物です。マットな質感で、存在感のある黒い造形物を制作できます。素材としてのプリント精度も高く、クオリティの高い3Dプリントを実現します。