家庭用3Dプリンターの種類

家庭用3Dプリンター種類を解説 article

3Dプリンターには様々な種類があります。3Dプリンターの種類のことを「造形方式」と呼びます。企業向けとしては、細かな分類まで含めると、10種類前後の造形方式がありますが、家庭用として購入する時にはどの種類が向いているのでしょうか。この記事では、2つの造形方式の特徴と、選ぶときの注意点をご紹介します。

家庭用におすすめの造形方式は?

3Dプリンターは基本的に材料を固めて薄い層を形成し、それを幾重にも重ねることで立体モデルを造形する装置です。その材料を固めて薄い層を形成する方法の違いによって、一般的に種類が分かれており、それを「造形方式」と呼んでいます。様々な種類がありますが、家庭用としては主に「FDM方式」と「光造形方式」の2種類がおすすめです。コストパフォーマンスに優れ、手軽に導入できるというところが大きなポイントです。他の造形方法は精度や強度が高い造形ができたり、カラー出力ができたりしますが、価格が高いのでなかなか手が出る機種がないから、という理由もございます

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FDM方式の3Dプリンターとは?

FDM方式は、別名で熱溶解積層方式とも呼ばれるものです。もともと老舗メーカーであるStratasys社が特許を取得した造形方式であり、最近はMEX方式とも呼ばれています。フィラメント状(釣り竿のリールに巻かれている釣り糸のようにグルグル巻きになったもの)の熱可塑性樹脂、つまり熱で溶ける樹脂をノズルの先端まで通して、加熱して溶かして、薄くペーストしたものを積み重ねて造形していく方式です。この造形方式で作る造形物の特徴としては、強度は出やすいですが、精度に欠けるという特徴があります。

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家庭用3DプリンターにFDM方式を採用するメリット

家庭用3Dプリンターの中で最も一般的な造形方式がFDM方式です。一番の理由としては、扱いやすいことでしょう。ノズル部分は加熱されますが、基本的には触ることはないと思いますので、完成直後に造形物を触るということがなければ、やけどの危険は少ないです。またにおいはありますが、光造形方式ほどではありません。※それでも換気には注意しましょう。

家庭用3DプリンターにFDM方式を採用するデメリット

一方、造形の安定性については、機種により差が出てきます。FDM方式は熱により樹脂を溶かしてノズルから吐出し、薄くペーストしていく方式であることは説明しました。高温のノズルから吐出された後、室温にさらされるわけです。すると、どうなるでしょうか。急激な温度変化により、せっかく固まった樹脂が反ってしまったり、割れてしまったり、ということが発生します。その上に高温の樹脂がまた積み重なるため、形状が安定せず、また層ごとのくっつきが弱くなってしまいます。

完成品であれば、扉で仕切られた機械の中で造形され、プレートの温度をあげるなどして、ある程度中の温度を調整することができます。そうすることで、それなりに安定した造形が可能です。一方、組み立て式はオープンな状態で造形されますので、どうしても吐出された後の温度変化が大きくなってしまいます。そうすると、どうしても不具合が出てきてしまいます。このあたりも、選定のポイントになってきます。

光造形方式の3Dプリンターとは?

光造形方式とは、バットと呼ばれるトレーの中に液状にした光硬化性樹脂を溜めて、そこに紫外線を照射することで1層を作り、それを重ねていくことで造形する方式のことです。下から上に積み上げていく方式と、上から下にいく吊り下げ方式があります。実は3Dプリンターの中で最も歴史のある造形方式となります。精度が高い造形ができることが特徴です。

家庭用3Dプリンターに光造形方式を採用するメリット

光造形方式の特徴としては、精度が高いことが挙げられます。家庭用に3Dプリンターを導入するときの用途として、プラモデルやフィギュアの造形というのが挙げられると思います。データを用意するのが大変ですが・・・。その時に、造形の精度が低いと仕上がりがガタガタとなってしまいます。光造形方式であれば、積層痕が目立たず、また表面もなめらかになるため、比較的きれいな仕上がりを得ることができます。

また、透明度が高い造形ができることも特徴です。後工程で研磨などは必要になってきますが、アクリル系樹脂を使うことで、FDM方式では実現できない、透明度の高い造形物を出力することが可能です。

家庭用3Dプリンターに光造形方式を採用するデメリット

一番のデメリットはにおいが強い材料を取り扱わないといけないことです。光造形方式においては、バットと呼ばれるトレーに光硬化性樹脂、レジンを満たす必要があります。この光硬化性樹脂はツンとした刺激臭があり、使っている内に慣れるとはいうものの、リビング等の生活圏に置くのは厳しいと言わざるを得ません。書斎など、3Dプリンター専用の部屋を準備できない場合には、採用は難しいと言えます。また、安定した土台に乗せる必要もあります。また後工程として洗浄も必要ですし、種類によってはその洗浄液を下水に流せない、ということもあります。

その他、直射日光に弱いということもあげられます。紫外線により硬化する樹脂を使っているため、長時間日光にあたっていると、変形したり、ひび割れしたり、ということが発生します。また、レジンの保管は条件がシビアなところがあり、使い始めの時も温度を調整しないといけないとか、バットに満たした状態でレジンを放置すると、品質が変わってしまったり、ということもあります。このようなデメリットを理解した上で、メリットを享受するために光造形方式のプリンターを採用するかどうかを決める必要があります。

おすすめの3Dプリンター

家庭用のFDM方式のおすすめ3Dプリンター

Finder (FLASHFORGE)

Finderは5万円以下で導入できるFDM方式の3Dプリンターです。家庭用と業務用ともにシェアを伸ばしているFLASHFORGE(フラッシュフォージ)社エントリーモデルです。本体画像でわかるように、タッチパネルタッチパネルから簡単に操作が行えます。出力後にはプラットフォームを取り出せるため、造形物を簡単に取り出すことができます。作動音を50デシベルに抑えた超静音モデルで、設置場所にも困りません。スライスソフト「FlashPrint」も使いやすいと評判で、ライン状のサポート材が使えるという特徴もあります。初心者でも簡単に3Dプリンティングをスタートできます。

Guider2 (FLASHFORGE)

FDM方式でおすすめの3Dプリンターは、FLASHFORGE社のGuider2です。178,000円と高額ではありますが、業務用として導入されることも多い、プロ仕様の3Dプリンターです。最大造形サイズは、およそ30cm角ということで、DIY用途でも多いに活躍できます。完成品が届けられるもので、庫内での造形と加熱式プラットフォームにより、熱収縮を抑え、様々な材料で安定した造形ができます。スライスソフト「FlashPrint」も使い勝手が良いと好評で、ライン状サポート材なども使うことができます。水平出しの調整が半自動でできる(センサーと大型タッチパネルの指示でネジを回すだけ)のも嬉しいところです。

家庭用の光造形方式のおすすめ3Dプリンター

Saturn(ELEGOO)

ELEGOO Saturnは光造形方式の大型樹脂3Dプリンターです。8.9インチの4Kモノクロディスプレイを搭載しており、最大造形サイズは192×120×200mmと非常に大きなものとなっています。8.9インチディスプレイにより大きなモデルを高速でプリントしたり、一度に複数のモデルをプリントしたりすることが可能になり、プリント効率が大幅に改善されます。また光造形方式の特徴である。滑らかで繊細な3Dプリントモデルの表面を実現します。

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